よくある相談

【相談】施設から退所させられることはありますか?

家族の方にとって、介護を必要とする方が家にいるのは大きな負担となります。

今まで頑張って介護してきたことに限界を感じて、施設利用に踏み切ったがいつまで施設利用できるのかは不安要素の一つですね。

今回はこの相談について話してみたいと思います。

まず、初めに施設から退所させられる可能性はあります。

どの形態の施設を利用したとしても可能性はゼロではありません。

施設を退所になる時はどんな時

介護施設は様々な目的で建てられています。

目的によって、職員の数や職種も様々になります。

その為、退所になる理由も異なってきますので、利用者がどのような状況なのかを判断する必要も出てきます。

また、入所期間中に状態が変わることもありますので、臨機応変に判断が変わることもあります。

すぐに退所になる場合は、自傷・他傷行為・ハラスメント行為・料金の未払いです。

多少、多めに見ることはあっても改善ないようでしたら退所になります。

介護老人保健施設に入所している場合

介護老人保健施設では、概ね3ヶ月の暗黙のルールが存在します。

【相談】介護老人保健施設(老健)は3ヶ月しか利用できない 僕は老健の支援相談員をしています。利用相談の際はよく聞かれる疑問です。 特に周りの老健に先に相談行かれた方は、必ず言われますね。...

リハビリを3ヶ月間の短期間で集中して行い、家に帰ることが目的になります。

半年~1年と長くいらっしゃる方もいますが、過度に期待しない方が良いです。

介護老人保健施設で退所となる大きな理由はリハビリの期間です。

基本的に生涯入所できる施設ではないということは年頭においておいた方が良いでしょう。

次にお薬に関するです。老健は基本サービス費にお薬代が入っている設定です。

その為、高額なお薬を使用している場合は、入所を断られることがあります(法的にはダメなんですが・・・)。

入所中に高額のお薬が必要になった場合は、退所の話が来る可能性は上がります。

特別養護老人ホームの場合

終の棲家と言われる特養でも退所になることはあります。

よくあるケースとしては、ご本人の病状の悪化です。ある程度、高齢になると何かしらの持病も持っておられます。

病状が悪化して入院ということはよくあります。

入院中は退所という訳ではありませんが、入院期間が長くなると一旦契約解除になる場合があります。

期間は1ヶ月~3ヶ月程度が目安で施設により異なります。

また、特養の多くは夜間帯に看護師は不在になります。

夜間帯に医療的ケアが必要になった方は退所になる可能性は高いです。

グループホームの場合

グループホームは小規模の認知症対応型施設です。

小規模の施設なので、職員配置も少ないです。

その為、介助するのに職員2人がかりでないとできない人や、食事介助に極端に時間を有する方など、他の方に影響の出る場合は退所の話が持ち上がるかもしれません。

サービス付き高齢者向け住宅の場合

サービス付き高齢者向け住宅は60歳以上の高齢者に向けた住宅となっています。

比較的自立している人が多く入居されています。

介助量の多い方も入居することはできますが、介助量の多さや医療的ケアの多い方はリスクを伴うことになりますので、退所の相談が入るかもしれません。

有料老人ホームの場合

サービス付き高齢者向け住宅と似ている部分も多いのですが、施設内に介護職員や看護職員がいますので、サービス付きよりも重度の方でも入居できるイメージです。

曖昧で申し訳ないのですが、サービス付きや有料ともにどんどん細分化されてきています。

その為、受け入れ対象を拡大している施設が増えてきているので、一概に判断できない部分があります。

サービス付きと同様、介助量の増加や医療的ケアの増大によって退所の話になる可能性があります。

共通内容

どのサービスでも言えることですが、医療的ケア(皮下注射・胃ろう・バルン留置・吸引など)が多い(多くなってくる)と、「こちらの施設では安全に利用することができない」といったような理由で退所の話が出てくるでしょう。

やはり、利用者には安全に過ごしていただきたいと考えているので、心身の状態に見合った施設を利用するべきと考えているからです。

他には、施設のルールを守らない方も退所を促すことになります。

僕の施設では、持ち込みのおやつは禁止していますが、「ちょっとぐらいいいでしょ」と家族が利用者に渡しており、それを、他の利用者に渡していることがありました。

その利用者は夜中にこっそりと食べて喉に詰めてしまい、入院になりました。

命に別状はありませんでしたが、その家族からこっぴどく怒鳴りつけられたのを覚えています。

最初に持ち込んだ家族の気持ちも分かるのですが、こういった事故が起こることもあるというのは知っておいてほしいです。

意地悪で禁止にしている訳ではないので。

また、施設によって、最低人員や必須の職種はあるが、働いてはいけない職種はありません。

夜間帯に看護師がいないサービスが多いですが、介護施設によっては、看護師も夜勤をしているところもあります。

気になる施設があったら、職員の配置や退所になる条件など、先に確認しておいた方がよさそうですね。

まとめ

介護施設の役割によって退所になる条件が変わる。

介護施設の職員の配置によって退所になる条件が変わる。

利用者の状態の悪化や入院により退所になる。

ルールを守らないと退所になる。

自傷・他傷行為。

ハラスメント行為。

利用料の未払い。

というところでしょうか。

9割以上の方は対象になりませんが、知っておいて損はないですよ。

出版の紹介

介護は突然きます。

皆そうやって相談にくるんで間違いない。

だから知って欲しいことをまとめて書いちゃいました。

悩みはだいたいみんな一緒。

少しでも参考になれば嬉しいな。

現役の介護相談員
ゆづる

≪プロフィール≫
介護施設を探しておられる方へ現役相談員が本音でお答えします。
介護従事者からの相談も受付しております。
介護の仕事に就いて19年。
自慢は、過去にNHKの某番組で介護について話させていただきました。

【資格など】
・介護福祉士
・介護支援専門員
・住環境コーディネーター2級
・認知症実践者研修
・認知症キャラバンメイト
・福祉有償運送

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▽監修/ライティング実績

▼すみからいふ様にて執筆させていただきました
【介護職必見】リスクマネジメントの知識とポイントについて徹底解説