施設利用を考える上で、気になるのは料金と職員のことかと思います。
料金については別の記事で
人材不足が嘆かれている現状ですが、実際の現場はどうなのでしょうか?
今回はこの問題に対して解説していきます。
ほとんどの施設が人員基準を満たしている
人材不足は数年前から言われてきました。
実際、僕も働いている中で何度も感じています。
ですが、ほとんどの施設は職員数を確保できているのが事実です。
では、人材不足とはどういうことなのでしょうか?
人員基準と比較しての人材不足
人員基準とは厚生労働省が定めた人数の事です。
一般的に多いのが、利用者3人に対して、職員1の割合です。
50人の入居者に対して考えると14人の職員が必要ということになります。
この基準を満たしていればOKな訳ですが、以外と多く感じたのではないでしょうか?
人員基準で言われている人員はあくまでも1日の勤務時間から計算したものです。
24時間、毎時14人いるのではなく、14人分の勤務時間(今回は8時間と仮定)の112時間の勤務を確保するのです。
その為、職員が多い時間もあれば、少ない時間も発生します。
また、人員基準とはあくまでも最低人員であり、利用者が満足できる人員ではありません。
介護職を目指す人が減っている中、この人数を確保するのも結構大変なのですが、各施設なんとかできているのが現状です。
人員不足と人材不足の違い
よく言われるのが人員不足なのですが、前述の通り、なんとかできている施設は多いのです。
実は人材不足が深刻なんです。ある程度の人員は確保できるが、運営が困難な状況にあるのです。
なぜか?人材が不足しているのです。
要するに経験者や有資格者が数年前から考えると圧倒的に減ってしまったんです。
就職面接に来る人は、無資格・未経験ばかりです。
もちろん育てていけば戦力になるでしょうが、かなり先の話になります。
また、それまでに辞めてしまう方も多いです。
元々、経験がある職員はどこに行ったかというと、多くはケアマネや相談員、施設長など、スキルアップをして、現場から離れているのです。
その為、介護現場はしっかりとした教育も受けられず、不満を募らせていることが多いです。
もちろん、しっかりと教育が行き届いている施設もありますよ。
外国人が多い
ベトナム・フィリピン・インドネシア・ネパール辺りの国から、介護の仕事をしに来ている方が多くなってきています。
ぼくの施設でもベトナム・インドネシア国籍の職員が10名程います。
その為、日本人が極端に少なく感じてしまうこともあります。
他国籍ということで、信用に欠けるといった意見をもらうことがありますが、「日本人より優秀」というのが持論です。
もちろん、全員が全員よく働くといった訳ではありませんが、ほとんどの方が一生懸命やっていますし、中には日本人が落ちることもある介護福祉士の国家資格を合格してくる方もいます。
しかも日本語のテストで。
母国に比べると10倍以上の給料が支払われるようで、ハングリー精神を見せてくれています。
すごく頼りになりますよ。
この間、「煮ると炊くの違いを教えて!」なんて言われて、凄く困りましたけど(笑)
見守り機器の導入で人員を減らしていく傾向にある
介護の人材不足が深刻化してきている中、見守り機器やAIの導入という言葉が、平成30年頃から言われてきています。
よく見かけるものとしては、見守り用のベッドです。
横になっていると体のデータを読み取り、寝ているのか覚醒しているのかをパソコンで確認ができます。
その為、夜間帯にお部屋を回る必要がなくなるのです。
導入が進んでいる中、「やっぱり介護は人がやらないと」と思う介護士は多いです。
しかし、国は見守り機器の導入に力を入れています。
導入時にかかる費用のサポートや人員基準の緩和などです。
こうなると各施設(特に新規オープンの施設)では、導入を検討し出します。
それに伴って、職員数を減らしてしまうのです。
新規オープンの施設では、見守り機器の導入であったり、職員の人数なども確認したほうが良いですね。
まとめ
介護施設は人材不足と言われるが、基準は切っていない所が多い。
人数がいないのではなく、経験不足。
海外の方が働いていることで、日本人が少なくなっているように感じる。
見守り機器の導入により、職員数を削っている。
介護は突然きます。
皆そうやって相談にくるんで間違いない。
だから知って欲しいことをまとめて書いちゃいました。
悩みはだいたいみんな一緒。
少しでも参考になれば嬉しいな。