相談員向け

【相談員向け】施設利用を嫌がる人を納得の上で利用していただく方法と注意点

施設の利用を頑なに拒む利用者がいます。

頑なに拒んでいる人を、無理に利用に繋げてしまうと、入所後様々なトラブルが起こる可能性があります。

なので、できる限り利用する本人に施設利用を納得していただいた上で利用していただきたいと考えますよね?

とは言えすんなりいくものではなく、頭を悩ませるもんです。

そんな中、相談員の良くない対応で、余計に不信感を煽ってしまうこともあるのでは?

相手の気持ちを尊重して、説得せず、アピールせず、他の事業所も紹介するのが僕の支援方法です。

解説していきます。

相談員として気を付けないといけないこと

  • 施設の良い所を主張しない
  • 家族とだけで話を進めない
  • 説得しない
  • 本人に対しての不安要素を突きつけない

施設の良い所を主張しない

そもそも、利用自体を前向きに考えていない人に対して、施設の良い部分を伝えてもただの営業でしかなく、相手は聞いていません。

まずは、本人の気持ちを聞き出すように努めましょう。

家族とだけで話を進めない

施設利用を拒否してえいる本人と利用を勧める家族と対峙した時に、家族の大変さに情が移りやすいものです。

また、高齢者は耳が聞こえにくくなっていることも多いので、両方に話しているつもりが家族にしか聞こえていないなんてこともあるでしょう。

意識的に本人に話しかけるようにしていきましょう。

家族はだいたい聞こえてますしね。

説得しない

施設利用の話をしていると、いつの間にか説得する形になっていることがあります。

利用を拒否している方に対しては、余程のセールストークがないと説得はできません

会ったばかりの相手なので、不信感も強いですし。

本人に対しての不安要素を突きつけない

「こうなると危ない」「一人は危険」「家族が心配している」といった内容を言わないように注意が必要です。

本人からすれば、他人に心配していらんってなもんですよ。

頑なに施設利用を拒否される方の特徴

  • 自分は対象ではない
  • 過去に病院で良くない思いをした
  • 自分で思うように生きたい

と考えていることが多いです。

そんな思いを緩和できるような相談支援が求められます。自分は対象ではない

自分は対象ではない

自分は対象ではないと思っている人からは、上手く不安なことや困っていることを聞き出し、周りに職員や他の利用者がいることで安心できるのではないかと提示してみましょう。

それだけで、案外利用につながることはあります。

過去に病院で良くない思いをした

過去に病院で良くない思いをしたというのは、食事がおいしくなかったや看護師に偉そうにされた。

または身体拘束を受けたトラウマが出てくることがあります。

このような方には、病院と介護施設の違いをしっかり説明してあげると良いと思います。

だいたい、施設を利用すると二度と家に帰れないと思っている方も少なくありませんので、まずはショートステイの提案が良いかもしれません。

自分で思うように生きたい

自分で思うように生きたいという気持ちが強い人には、選択肢があることを主張しましょう。

厳しい言い方をしないといけないですが、このままの生活を続けていれば、いつかは入院や緊急的に施設利用をしないといけなくなります。

その現実は伝えてあげるべきだと僕は考えます。

そういった緊急時は施設を選んでいる時間もなく、想像もしていない施設や遠い施設などにそれこそ無理やり行かされることになるでしょう。

それで納得できますか?と問うのです。

今だったら自分の選択ができる状況だということを説明してあげてください。

施設に少しの期間でも利用があれば、その後何かあった時に使い易くなりますし、合わないと感じたら利用を辞める選択肢もあります。

ショートステイなどで、気軽に一度利用することを提案しても良いかもしれません。

また、この説明と同時に。自施設でなくても良いことはしっかり伝えましょう。

どこの施設でも構わないから自分で選んで利用してみてはどうでしょうか?思っている程悪くないかもしれないですよと提案してみましょう。

自分の所のサービスを勧めているのではなく、あなたを心配していることを伝えましょう

まとめ

頑なに拒否されている人への相談援助は大変です。

相手の気持ちを尊重して、説得せず、アピールせず、他の事業所も紹介するのが僕の支援方法です。

そんなことをしていると、自分の所のサービスに繋がらない可能性が出てきます。

そうすると何のための相談をしているのか迷子になります。

でもそれが良いと思うんです。

一番は「本人の良き理解者になって、信頼を得ること」です。

そうすることで、自然と利用に繋がるのです。

また口コミで広まることもあります。

「あそこの相談員はよく話を聞いてくれるよ」みたいな形です。

最後に、「好きで利用している人なんてほとんどいないですよ。皆気持ちが一緒なんで、利用の際は一緒に家族の悪口言ったら気分いいかもしれませんねw

そう言うと、結構な確率で利用して下さります。

焦らず、しっかりと傾聴の姿勢で対応しましょう。

出版の紹介

介護は突然きます。

皆そうやって相談にくるんで間違いない。

だから知って欲しいことをまとめて書いちゃいました。

悩みはだいたいみんな一緒。

少しでも参考になれば嬉しいな。

現役の介護相談員
ゆづる

≪プロフィール≫
介護施設を探しておられる方へ現役相談員が本音でお答えします。
介護従事者からの相談も受付しております。
介護の仕事に就いて19年。
自慢は、過去にNHKの某番組で介護について話させていただきました。

【資格など】
・介護福祉士
・介護支援専門員
・住環境コーディネーター2級
・認知症実践者研修
・認知症キャラバンメイト
・福祉有償運送

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▽監修/ライティング実績

▼すみからいふ様にて執筆させていただきました
【介護職必見】リスクマネジメントの知識とポイントについて徹底解説