介護士向け

介護のCMや広告が綺麗すぎて現実と違い過ぎる件について現役相談員の感想と考察

介護士

介護のCMや広告が綺麗すぎて現実と違いすぎる。実際あんなんじゃないのに・・・

僕の施設の職員がぼやいていました。

見たことあります?

介護のCM。

めちゃくちゃキラキラした映像に仕上がっています。

あんなにも希望に満ち溢れた宣伝をされると、入ってきた職員や利用者がギャップに戸惑うのではないか?

介護士

あんなにもキラキラしてないし、あれで期待されても困るわ。

介護士

あのイメージで来られたら自分たちもやりにくいだけ。だからすぐに辞めるのよ。

などといったぼやきを聞いてしまいました。

正直悲しい意見だと感じました。

僕の意見としては、どんどん明るく希望に溢れた宣伝をして、介護職員の増加を狙ってほしいと思います。

だって、介護士の数足りないんですから、増やさないことには利用者は守れないですよ。

ここからは詳しく解説していきますよ。

CMや広告で利用者が入居希望することはないと思う

僕は、どれだけ綺麗で希望に溢れた宣伝を行っても、利用者獲得には繋がらないと思っています。

なぜなら、ほとんどの利用者は「家で暮らしたい」と強く考えているからです。

利用者の家族には響くことはあるかしれませんが、結局は利用者本人の気持ちが大事なので、効果は薄いでしょう。

CMや広告は介護士を含めた職員向け

それを裏付けるかのように、施設のCMや広告って職員向けがほとんどではないですか?

職員はできるだけ綺麗な所で働きたいと思うもんです。

ターゲットとして絞られているんですよね。

利用者はそんなに宣伝しなくても、必要になったタイミングで利用することになるので、特別広告費を出す必要もないのです。

介護の宣伝が綺麗な理由

「綺麗すぎる宣伝」には僕も昔疑問を持ちました。

同じように反発のような気持ちが強く、不快に感じていました。

でも、「宣伝」なんですよね。

綺麗なのは当たり前ではないでしょうか?

例えば

  • 介護は人手が足りず大変
  • 給料は安い
  • 利用者と話す時間もなく、バタバタしている

こんな宣伝で誰が介護士を目指すんでしょうか?

だったら

  • ゆったりと綺麗な建物
  • 働き方はある程度自由がきく
  • 利用者と職員の楽しそうな会話の映像

こっちの方が「やってみたい」に繋がるのではないでしょうか?

宣伝とのギャップで離職に繋がるのか

これは、現職者の言い訳ではないでしょうか?

施設が「CMより汚いから」「利用者と話できる時間がないから」と退職する職員はほぼいません。

退職理由の多くは、人間関係が良くないというものです。

せっかくCMや広告で入職に繋がったのではあれば、大切に育ててあげることで、少し先の未来で中心人物に育つ可能性を持っているんです。

しかし、しっかり教えられていない状況で、自分の価値を見い出せず、退職してしまうのです。

退職理由はギャップではなくて指導方法を含んだ環境の問題

なんでも人のせいにしてしまってはダメです。

一度、自分たちのコミュニケーションの取り方や指導方法を見直してみるべきだと思います。

新人職員に厳しすぎる

これは僕の周りだけのことかもしれませんが、新人職員に対して厳しすぎる傾向があります。

恐らく、人手が足りていないと考えている介護士が多い中に入ってくるため、

  • 今まで気づいていても手を付けられなかった仕事ができる
  • 育ってくれたら自分が辞めやすくなる
  • 育てる時間がないから、ある程度早く教えて独り立ちしてもらわないと

なんてことを考えていませんでしょうか?

早く育ってほしい気持ちが優先されている

だから、少しのミスも寛容になれず、指導というパワハラを行ってしまう人もいます。

これは、新人職員には関係のない話なんですよね。

それで、退職の話になると、「また続かなかったか」なんて悲観し、新人側に素質がなかったなど理由をつけてしまいがちではないでしょうか?

自分自身が頑張っているのだから、新人でもこれぐらいはして当たり前とラインを引いてしまっていませんか?

新人職員ごとに、個別の指導内容を提供しないと同じ指導内容だとついていけない人もいますよ。

声をかけるのは担当の職員だけ

ゆづる

これよく見かけるんですよね

今日はこの職員が担当なのでと担当がつくと、他の職員は声もかけない訳です。

実際、声かけにくい場面はあるので気持ちはわかるんですが、新人職員はどうでしょうか?

不安の大きい中で、色んな先輩職員から声をかけてもらいたいものかと思います。

僕が声を掛けたら、パッと表情が明るくなる人が多いです。

これは僕がどうとかではなく、誰でも良いので声を掛けてほしかったんだと思います。

「皆が(で)見てるよ」という雰囲気

皆が見ていて声を掛けてくれる職場があれば、離職は減ると思います。

この環境ができていても辞めてしまう人はいると思います。

それは、新人職員側の問題かと思いますので諦めて次を考えましょう。

わからなかったらすぐに声を掛けてね

「わからないことはすぐに声を掛けてね」と伝える指導者は多いです。

悪い訳ではないんですが、もう少し伝えてほしいと思います。

だって、わからない状況になった時に、すぐ声かけられない状況が多いんです。

理由は忙しそうにしているからです。

忙しそうにしている先輩の手を止めさせて、質問していいものなのか?と更にわからないことが増えてしまいます。

なので、

「わからないことはすぐに声を掛けてね。忙しそうにしてるかもしれないけど、できる限り解決できるようにするから」みたいに、補足していつでもいいよをアピールしてあげてください。

または、指導者側から定期的に「わからないことある?」と聞いてあげましょう。

宣伝の問題ではなく環境の問題

僕は、CMや広告が綺麗すぎることは、離職とは全く関係のないことだと考えています。

新しい方が興味を持って、介護業界に入って来てくれることは凄くありがたいことです。

しかし、そういった人たちを上手く教育できていない状況があるのではないか?と思います。

僕は、もっと業界に興味をもてるようなイベントや宣伝をするべきだと思っています。

あとは、現在の介護士の腕の見せ所です。

皆で頑張って介護職員の人手不足問題を解決していきましょう。

出版の紹介

介護は突然きます。

皆そうやって相談にくるんで間違いない。

だから知って欲しいことをまとめて書いちゃいました。

悩みはだいたいみんな一緒。

少しでも参考になれば嬉しいな。

現役の介護相談員
ゆづる

≪プロフィール≫
介護施設を探しておられる方へ現役相談員が本音でお答えします。
介護従事者からの相談も受付しております。
介護の仕事に就いて19年。
自慢は、過去にNHKの某番組で介護について話させていただきました。

【資格など】
・介護福祉士
・介護支援専門員
・住環境コーディネーター2級
・認知症実践者研修
・認知症キャラバンメイト
・福祉有償運送

>>詳しくはこちら<<
\ Follow me /

▽監修/ライティング実績

▼すみからいふ様にて執筆させていただきました
【介護職必見】リスクマネジメントの知識とポイントについて徹底解説