以前に比べて施設の数は増えたのに入れる所が少ない。なんで?
介護施設を探しておられる家族の方から相談を受けました。
この時は僕の施設も空きがなく、案内できない状況で待機していただくしかなかったです。
もちろん待機中に使えるサービスを紹介して、今では無事入所に繋がりました。
僕の地域ではかなりの数の介護施設がありますが、それ以上に高齢者が多いということなんですよね。
今回はこの件について説明していきます。
介護施設の数が増えた
高齢者が増え続ける日本では長高齢社会と言われています。
経済難も相まって共働き世帯が多くなっています。
家族での介護も困難な状況が多く、施設の利用を考える人が増えてきたことで数年前から施設が乱立しました。
施設が増えたのに入れる所が少ない
ではなぜ施設が増えたのに入れる所が少ないのでしょうか?
理由はいくつか考えられます。
施設以上に高齢者が多い
施設の受け入れ人数は簡単に増やす事はできません。
部屋の広さも規定がありますので、増設することはほぼできません。
また、介護保険法の更新により、ルールが厳格化していくことで、受け入れが難しくなっていることは間違いありません。
介護職員が分散した
施設が増える一方、介護職員は一時期のことを考えると一気に減ってきています。
一時期というのは今から十数年前ですが、リストラや派遣切りが流行った時期です。
その特は、他業種からの参入がかなりありました。
他業種なので介護は素人同然でしたが、それ以外に働く所が無かった方も多く、一生懸命働いていた方多かった印象です。
今も他業種からの参入はありますが以前に比べると減っています。
施設が乱立したことで、介護職は新しい所を求めたり、ステップアップの為に転職したり、役職についたりと各方面に分散してしまい過酷な人材不足に陥っています。
介護職員が退職し易い環境ができた
施設が増えることで、転職し易い環境ができました。
辞めてもすぐに働ける場所があるので、悩む事も少なくなりました。
その為に少しでも不満があれば、すぐに辞めてしまう傾向にあります。
少し前までは派遣を切る施設も増えていましたが、最近は派遣に助けてもらわなければいけない状況にもなってきています。
人手が足りず受け入れ制限をしてる
上記のように介護職員が分散している状況で、各施設を適正に運営する為には、売り上げを落として入居者を減らすしか無く、一部のフロアを封鎖して職員の補充を第一にしている施設もあります。
もちろん売り上げだけではなく、利用者の安全を確保する為でもありますし、人員基準というものがあるので、基準を違反しないように運営しています。
また、少ない人員で運営を余儀なくされている施設では介助量の多い方の入所を後回しにしてしまいます。
そうしないと職員がつぶれてしまいますからね。
まとめ
一見、施設が増え、利用し易いようにも感じるのですが、介護職の人材不足を促進してしまい、多くの施設が困惑しているのです。
また、近年では介護事業所の経営難も目立ってきており、無理に運営をしようとして「指定取り消し」を受けた施設や、「倒産」してしまう施設も少なくありません。
介護事業は儲かりません。
結構ギリギリで運営しています。
施設になると維持するだけでも大変です。
この状況は劇的に変わる事はなかなかないと思われます。
少しでも介護業界の理解に繋がれば幸いです。
介護は突然きます。
皆そうやって相談にくるんで間違いない。
だから知って欲しいことをまとめて書いちゃいました。
悩みはだいたいみんな一緒。
少しでも参考になれば嬉しいな。