僕は老健の支援相談員をしています。利用相談の際はよく聞かれる疑問です。
特に周りの老健に先に相談行かれた方は、必ず言われますね。この質問って正直嫌なんです。
先に結論を出すとすれば、「そんなことない」です。
では、なんで老健は3ヶ月しかいられないと言われるのかを解説していきます。
これ言ってしまうと、他の支援相談員の方に怒られるかもしれないです(笑)
ただ、僕はいつもしっかり応えてるんでいつも通り暴露していきます。
では行きましょう。
老健は3ヶ月しかいられないというのは嘘?
一般的に老健は3ヶ月しかいられないと言われています。
これは一般の方はもちろん、介護士やケアマネも同じように理解していることが多いです。
では実際はどうでしょうか?3ヶ月を超えて6ヶ月、またまた1年と入居されている方もいるんです。
3ヶ月しかいられないと思われているのはなぜか?
- 老健はリハビリ目的の施設
- 経営の問題
- 相談員が仕組みを理解していない
理由としては3つ考えられます。
老健はリハビリ目的の施設
リハビリを終了した人は、次にリハビリを必要としている人と代わる必要がある。
リハビリは病気や怪我をしてから3ヶ月程度が回復期と言われている。
3ヶ月の間しっかりリハビリをして3ヶ月経過した人は家に帰ってね。
というのが老健の役割とされています。
経営の問題
介護施設は高齢者も多く利用料金も高いため、すごく儲かっているイメージを持たれることがあります。
しかし、本当に儲からないビジネス形態となっています。
介護職の低賃金問題は聞いた事があるとは思いますが、かなりシビアなものです。
「介護職の給料を上げてあげたらいいのに」なんてうれしい事を言ってくださる方もいらっしゃいますが、正直利用料が上がるとなると納得される利用者いないですよね。
話がそれましたが入所後、3ヶ月限定で『短期集中リハビリ』というものができます。
短期集中リハビリ中はリハビリ1回に対して加算の算定ができます。
保険料も全て込みで1回2500円程度です。
毎日行うと1ヶ月で75000円程になります。
かける人数と考えると大きな収入源です。
収入だけの話をすると誤解が生まれてしまいますが、利用者さんの機能を取り戻すのには必要なものだと考えています。
その為、3ヶ月の限定期間を終了した方は、自宅に戻る又は、他の施設へ移っていただき、新規の方で短期集中リハビリをしていく事が経営を支える柱となっているのです。
相談員が仕組みを理解していない
老健の相談員が2つ目の内容を説明できる程、理解していないことです。
3ヶ月で退所を勧める施設もそうでない施設も、相談員が介護保険のルールや事業所の方針をしっかり伝えることができていないことが問題です。
世間で言われている「老健は3ヶ月」というルールをそのまま家族に話してしまっていることで間違った解釈が広まってしまったのでしょう。
家族の方からすれば、施設の窓口の人間から、「老健は3ヶ月という決まりがあるんで~」と言われると「そうなんだ」と納得するしかないんですよね。
あくまで推奨されているかのように加算が設けられている(介護保険はこの形が多い)ので、売り上げを任されることの多い相談員はこのルールに疑問も持たず伝えてしまっているケースが非常に多いです。
まとめ
老健は3ヶ月しか入所できないというのは間違い。
ただし、3ヶ月毎に継続判定会議を行い、在宅復帰ができそうなら帰っていただく支援を行う。
売り上げを上げる為、加算を算定できるように事業所の考え方を家族に押し付けていることで3ヶ月ルールが定着したと考えられます。
実際、老健で働いている職員が入所期間を3ヶ月と思っているくらいなので、一般の方がそう思ってしまうのも仕方ないですよね。
まだまだ、ぼくら側の勉強や説明が足りないのかもしれませんね
介護は突然きます。
皆そうやって相談にくるんで間違いない。
だから知って欲しいことをまとめて書いちゃいました。
悩みはだいたいみんな一緒。
少しでも参考になれば嬉しいな。