「介護タクシーを利用したいけど、料金や条件がいまいちよくわからない」「一般的なタクシーより高いと聞くけど、実際どのくらいかかるの?」
介護タクシーの利用を検討している方の中には、こんな疑問を持たれる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、介護タクシーの概要から利用料金、利用条件などをまとめました。
実際に利用するまでに必要な工程ものせているので、いざ介護タクシーを利用したいと思ったときに、すぐ行動できるでしょう。
ぜひ、参考にしてください.
介護タクシーとは
介護タクシーとは、介護の必要な方や体の不自由な方が利用するタクシーです。
主にワンボックスカーで、ストレッチャーや車いすが乗せられる車両を使用し、リフトやスロープなどが装備されています。
介護保険サービスの「訪問介護」では、乗降を介助するサービスがあり、このサービスで使用するタクシーを「介護タクシー」と呼びます。
あとで詳しく説明しますね。
乗務員は介助が必須となるため、「普通自車第二種免許動」とは別に、「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)」の資格を保有していなければいけません。
利用料金はいくら?
介護タクシーの利用料金は事業所によって変わってきます。
主に必要な費用は以下の通りです。
- タクシーの運賃介助料
- 車いすや寝台などの介護器具
- レンタル料金
上記をあわせた金額が必要になります。それぞれ詳しく説明していきます。
介護タクシーの運賃
料金は通常のタクシーと同じように計算している事業所が多くあります。
料金は、主に「時間制運賃」や「距離制運賃」に分類されます。
設定料金は事業所ごとに異なるので、事前確認をおすすめします。
以下の表は「時間制運賃」と「距離制運賃」の一例です。
時間制運賃 | 30分ごと1,000円、または30分500円 以降30分ごとに2,000円などの形態で運賃を徴収。 |
距離制運賃 | 2キロ750円以降1キロ毎に300円のような形態で運賃を徴収。 (迎車まで) |
また、事業所によっては予約料がかかります。
介護保険適用サービスとして利用する時は、運賃を通常より安く抑えている事業所もあるので、一度問い合わせてみるとよいでしょう。
介護タクシーの介助料
介護保険が適用される時は、自己負担1〜3割を負担します。
往復すると行きと帰りで、2回分として費用がかかります。
介助料は、一般介助料と特殊介助料をあわせた料金です。
介護保険が適用されない時は全額自費となり、料金は利用する介助内容に応じます。
一般介助料 | 乗降介助:500~1,500円 |
特殊介助料 | 病院内介助:30分900円 室内介助:1,000円 外出付き添い:1,200円 |
介護保険適応外タクシーでは、特殊介助料をオプションとして料金を細かく設定して、特殊介助料を含めたパック料金で設定している事業所もあります。
車いすや寝台などの介護器具レンタル料金
利用者の利用状況に応じて、次のようなレンタル料金が発生する場合があります。
料金は目安になります。
- 車いす利用:0~1,400円
- ストレッチャー利用:4,000~6,000円
- リクライニング車いす利用:1,500~2,000円
酸素吸入器などの医療機器をレンタルしている事業所もあるので、必要に応じて相談しましょう。
介護タクシーの料金が高い理由は?
利用者の声を聞くと、料金が高いと感じる方もおられます。
なぜなのでしょうか?
介護の必要な方を乗せるので、どうしてもタクシー代以外に工数がかかるため、費用が高くなってしまいます。
また、保険が適用されているから安くなるだろうと思われがちですが、実は介護保険が適用されるのは一部の料金のみです。
そうなんですか?
乗降介助という介護保険サービスのみが保険適用になります。
移動の際にかかる運賃や、車いすなどの介護用品をレンタルする費用は全額実費で支払う必要があります。
そのため、料金が高いと感じる方が出てくる原因の1つと考えられます。
介護タクシーは2種類ある
介護タクシーは「介護保険適用」と「介護保険適用外」に分けられます。
- 保険適用されるものを「介護タクシー」
- 保険適用外のものを「福祉タクシー」
上記のように呼び分けるケースが多いです。
どちらも法令などで明確な基準が定められているわけではないので、市区町村別で「福祉タクシー」とまとめて呼ばれている場合もあります。
それぞれの特徴を以下にまとめました。
介護保険適用のタクシーの特徴(介護タクシー)
介護保険適用タクシーの特徴は以下の通りです。
- 運転手が「介護職員初任者研修」などの介護資格を持っている
- 車の乗降等を介助してくれる
- 要介護者以外は乗車できない
- 病院内への付き添い、受付や会計などをしてくれる
要支援者は利用できない点は注意してください。
介護保険適用外タクシーの特徴(福祉タクシー)
介護保険適用外タクシーの特徴は以下の通りです。
- 運転手が介護資格を保有していない
- 車の乗降を手伝ってくれない
- あくまでも乗せてからの移動だけをする
こちらは要介護者以外の方も同乗ができるので、付き添いが必要なケースも利用可能です。
介護タクシーを利用するための条件は?
保険適用外タクシーの利用条件は特にありません。
しかし、保険適用タクシーを利用するにはいくつか条件があります。
- 要介護1〜5に認定されている
- ひとりで公共機関を利用できない状態である
- ケアプランに「通院等のための乗車または降車の介助」が含まれている
- 日常生活、または社会生活において必要不可欠な外出である
(通院や役所の申請など)
以上の条件を満たしている必要があります。
保険適用タクシーの利用方法を解説
すでに要介護1〜5の認定を受けている方なら、担当のケアマネジャーに相談するのがよいでしょう。
まだ、要介護認定を受けていない方は、次の手順で要介護認定を受けて保険適用タクシーを利用しましょう。
- 申請書の提出
- 認定調査
- 要介護の認定
- ケアプランの作成
- 事業所を選ぶ
申請書の提出
市区町村の役所や地域包括センターの窓口に、要介護認定の申請書を提出しましょう。
申請に、必要な物は以下の4つです。
- 介護保険要介護認定・要支援認定申請書
- 介護保険被保険者証または医療保険被保険者証
- 主治医意見書
- 印鑑
最近は、事務作業の簡略化によって印鑑は必要ない場合があります。
認定調査
市区町村職員や、委託を受けた介護支援相談員などが身心の状態などを調査します。
家族にも生活状況を確認して作成されます。
認定調査の結果と、主治医の意見書をもって介護認定結果を待ちましょう。
要介護の認定
コンピューター診断の一次判定、専門職員でおこなう二次判定を経て、介護度が決定します。
どれくらいで結果がでるんですか?
30~60日程度かかるので、必要な場合は早めに申請するといいですよ。
ケアプランの作成
介護度が決まれば、次は担当のケアマネジャーが付くことになります。
ケアマネジャーがケアプランを作成しますので、介護タクシーを利用したいなら、このタイミングで依頼しましょう。
事業所を選ぶ
ケアマネジャーと相談して事業所を選びます。
介護タクシー利用時のサービス内容は、ケアプランの範囲内となります。
介護タクシーを料金以外で選ぶポイント
基本的にはケアマネジャーに紹介してもらうのが無難ですが、自分で事業所を探す時に気をつけたいポイントが2つあります。
- 車体に屋号の表示がないタクシー
- 過剰に安いタクシー
「車体に屋号の表示がないタクシー」と「過剰に安いタクシー」は、法律に違反している可能性があるので避けましょう。
タクシー業務適正化特別措置法施行規則(昭和四十五年運輸省令第六十六号)の第29条でタクシーである旨を表示することが定められています。
また、安くするために指定地域外で運行していることが考えられ、どちらも法律違反になります。
上記にあてはまる事業所は利用を控えましょう。
介護タクシーを利用しようと思ったら
支援や介助の必要な方でも安心して使える介護タクシーですが、保険適用されるものと保険適用外のタクシーがあり、利用料金や運転手のできるサービス範囲がそれぞれ違います。
また、利用料金は運賃だけでなく、介助費や福祉用具のレンタル代も含まれるので、一般的なタクシーより高く感じられるかもしれません。
介護タクシーは、支援や介助の必要な方が一般的なタクシーに乗るよりも、楽に利用できます。
気になる方は担当のケアマネジャーや、地域の事業所等に問い合わせてみると良いでしょう。
介護は突然きます。
皆そうやって相談にくるんで間違いない。
だから知って欲しいことをまとめて書いちゃいました。
悩みはだいたいみんな一緒。
少しでも参考になれば嬉しいな。