「介護士として働くために資格はいるの?」「どんな資格を取ればいいの?」といった疑問はありませんか?
「介護の仕事をしたいけど資格がないから心配」と思う人もいるでしょう。
この記事では介護士に資格が必要なのか、どんな資格が必要なのか、資格を取る方法やメリットを紹介します。
記事を読めば、資格を取るべきか、自分に取れそうな資格なのかを判断しやすくなるでしょう。
ぜひ、参考にしてみてください。
そもそも介護士に資格は必要なの?
結論から言うと、介護士に資格は必須ではありません。(令和4年6月現在)
介護業界の人手不足は深刻で無資格でも求人はあります。
そもそも「介護士」とは介護の仕事に就く人を指しており、特定の資格ではありません。
介護職員や介護スタッフと呼ぶ場合もありますね。
資格持ちである介護福祉士を介護士と呼ぶ職場も珍しくないでしょう。
介護士の仕事は施設で暮らす高齢者の介助や食事の配膳・下膳、洗濯やシーツ交換などです。
また、病院で雑用や患者さんの送迎など看護助手として採用されるケースもあります。
ただし、無資格でできる業務は補助的な内容が多く、着替えやトイレなど身体に直接触れて介護する場合は資格が必要です。
そのため介護士としてスキルアップを考えるなら資格を取得をおすすめします。
介護士に必要な資格3選
無資格の介護士もいますが、知識やスキルを身につけるなら資格を取るとよいでしょう。
以下に介護士に必要な資格を3つ紹介します。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士
介護職員初任者研修
かつてのホームヘルパー2級と同レベルで介護士の入門的な資格です。
介護は未経験という人でも基礎から習得できる内容なので安心ですよ。
無資格では原則として身体介護はできませんが、初任者研修を取得すれば可能になります。
職場によっては資格の取得を義務付ける求人もあります。
資格の取得は130時間の研修を受けた後、資格試験の合格が条件です。
最短1か月で取れるため、これから介護士として働きたい人はチャレンジしてみましょう。
介護福祉士実務者研修
「介護福祉士国家試験」の受験のために取得する必要ができた資格です。
介護職員初任者研修を取得していなくても取得を目指せます。
介護福祉士実務者研修を取得していれば訪問介護で「サービス提供責任者」として活躍できます。
資格の取得は450時間の研修を受けた後、資格試験の合格が条件です。
介護福祉士を目指すのであれば、早めに取得していきましょう。
介護福祉士
介護業界で本格的に働きたいと思うなら「介護福祉士」を取得しましょう。
介護福祉士は介護のプロフェッショナルであり、資格を取れば介護施設や身体障害者施設、児童福祉施設でも働けるため活躍の場が広がりますよ。
取得すれば十分な知識と技術を持つ介護職だと認められるため、職場での信頼も得られやすいでしょう。
介護士の資格を取る方法とは
介護の専門職として資格を取るなら「介護福祉士」がおすすめです。
介護福祉士を取得するには、国家試験の受験資格を得て合格する必要があります。
そこで受験資格を得る方法として以下に3つ紹介します。
- 実務経験
- 養成施設
- 福祉系高等学校
実務経験
介護現場で3年以上の勤務をして、「実務者研修」を修了すると国家試験の受験資格がもらえます。
国家試験に合格すれば介護福祉士として働けますよ。
厚生労働省「介護福祉士資格の取得方法について」では、実務経験ルートが最多であり最も一般的な方法です。
学校に通う必要がなく仕事をしながら取得ができるため、社会人におすすめします。
養成施設
高校卒業後に介護福祉士養成施設に指定される専門学校や大学を卒業して、受験資格を得るルートです。
主に高校生が将来の進路を決めるときに活用します。
養成施設に2年以上通う必要があるため、学生に合った方法でしょう。
社会人でも学校に通う時間やお金に余裕のある人には向いています。
ちなみに福祉系大学や保育士の専門学校を卒業した人は、養成施設に1年以上の通学に短縮できます。
福祉系高等学校
中学卒業後に福祉科や介護福祉士養成コースのある高校や特例高校に進学するルートです。
高校を卒業したら介護現場で働きたいと決めている人に向いた方法となります。
基本的には中学生が対象のため、社会人が選択するケースは少ないでしょう。
介護士が資格を取得する3つのメリット
「介護現場で働けるなら資格は必要ない」と考える人もいるでしょう。
しかし、介護福祉士を取得することで得られるメリットがあるのです。
- 就職先の選択肢が増える
- 収入がアップする
- キャリアアップしやすくなる
就職先の選択肢が増える
数ある介護系資格のなかで国家資格は「介護福祉士」のみです。
介護のプロとして国が認める資格であり、取得すれば一生活用できるスキルが身につきます。
介護士の求人では介護福祉士の資格を応募条件とする職場もあるため、資格を持つことで選択肢を増やせますよ。
資格があれば社会的な信用も得られやすくなるため、取得して損はないでしょう。
収入がアップする
介護福祉士を取得すれば収入アップが期待できます。
資格手当が追加される職場が多くあるためです。
介護福祉士と無資格だと、月1万円以上の差がある職場もありますね。
年収にして10万円以上変わるため大きいですね。
また資格があれば転職の際の待遇交渉にも利用できるでしょう。資格は強力な武器になりますよ。
キャリアアップしやすくなる
資格を取れば、知識・技術があると認められて現場で頼りにされます。
経験値を上げていけば、若手介護士の育成や管理職など責任ある立場を任されることもあるでしょう。
介護現場でキャリアアップを図るなら介護福祉士の取得を目指してみてください。
資格を活かして実績を積めば、仕事の楽しさややりがいにもつながります。
さらに上を目指したければ、認定介護福祉士に挑戦するのもよいでしょう。
介護士が資格をとるための費用と期間
前述のように介護福祉士の資格を取るには、実務経験ルートが一般的です。
それでは実際に資格を取るまでにかかる費用と期間はどのくらいなのでしょうか?
以下にそれぞれ解説します。
- 実務経験ルートで資格を取る費用
- 実務者研修に必要な期間
- 実務経験ルートで使える補助金制度
実務経験ルートで資格を取る費用
介護福祉士になる方法で最も低コストなのが実務経験ルートです。
費用は10〜20万円ほどになります。
これは実務者研修を受けるための費用です。
実務者研修は介護福祉士の受験資格を得るために必要であり、資格スクールで受講できます。
受講費はスクールや資格によって違い、無資格者10〜15万円程度、初任者研修修了者なら8〜10万円ほどが相場です。
結構高いですね・・・
研修を修了すれば受験資格が得られるだけでなく「サービス提供責任者になれる」「介護福祉士の実技試験が不要になる」などのメリットもあります。
実務者研修に必要な期間
無資格者の場合は450時間の受講が必要です。期間は約6か月から1年。
初任者研修や介護職員基礎研修を修了している場合は、受講が免除される科目もあるため期間は短縮します。
ちなみに医療的ケアの科目では「たんの吸引」を学びますが、専門的なスキルとなるため講義以外に実習カリキュラムを修了しなければなりません。
実務経験ルートで使える補助金制度
取得のための10〜20万円の費用は決して安くはありません。
「資格は取りたいけどお金の負担が大きい」「受講費が払えないからやめよう」と思う人もいるでしょう。
あきらめるのはまだ早いですよ。
介護福祉士をお得に取得できる補助金・給付金制度を活用しましょう。
制度は「教育訓練給付制度(教育訓練給付金)」と「求職者支援制度(職業訓練受講給付金)」の2つです。
「教育訓練給付制度」は雇用保険の失業給付の一つで、対象者に費用の一部が支給されます。
「求職者支援制度」は雇用保険を受給できない人が、職業訓練によって就職できるように国が支援する制度です。
要件を満たせば職業訓練受講給付金が受給できます。
いずれも対象となる要件がありますが、利用できる人は使ってみてください。
介護福祉士の資格を取ってキャリアを積み上げよう
この記事では介護士に必要な資格、介護士福祉士を取る方法、資格を取るメリットなどを解説しました。
無資格で働く人もいる介護業界で、介護福祉士を持つ人は頼りになる存在です。
キャリアを作っていきたい人には介護福祉士の取得をおすすめします。
国家資格を取るには難しい試験をパスしなければならないため、自信にもつながるでしょう。
チームリーダーや主任、施設管理者へとステップアップも可能です。
介護の仕事を頑張りたいと思う人は、介護福祉士資格にチャレンジしてみてください。