施設入所を考えている家族の人はどこか負い目を感じている人が多いです。
自分の親や身内を自分たちが介護せず、介護施設に預けてしまうことを「申し訳ない」と感じていませんか?
世間体を気にされていませんか?
そんな複雑な思いの中、大きな決断をして申し込まれるんですよね。
そこで心配になるのが、施設入所が決まったあとの生活がどうなるのか?ですよね。
入所すると寝たきりになるんですよね?
今回はこの質問に応えていきましょう。
特別養護老人ホームに入ると寝たきりになるのか
答えは「いいえ」です。
施設に入所したからといって寝たきりになることが確定する訳ではありません。
しかし、寝たきりになる人が多いのは間違いないと思います。
ではなぜ、寝たきりになる人が多いのでしょうか?
特別養護老人ホームで寝たきりになる4つの理由
- 家とは違う環境
- リハビリがない
- 加齢によるもの
- 職員の意識
家とは違う環境
まずひとつに家と施設の広さの違いがあります。
よくも悪くも自宅は施設と比べて狭いことがほとんどです。
狭い状況では手を伸ばせばすぐにつかまることができ、壁を伝って歩く事もできる人は大勢います。
施設では広さ故につかまることができず、伝って歩くところまでいけない人が出てきます。
その時に使用するのが、車椅子です。
介護施設で働いていると起こしたくないのが転倒事故。
転倒しないように安全を講じることがあり、それが結果歩くことを遠ざけてしまいます。
また、高齢者から「休みたい」「寝たい」と言われたら、無理に起こしておくことはできません。
介護士はできる限り、気持ちを尊重したいと考えるものなのです。
特別養護老人ホームはリハビリがない
その為、徐々に筋力や動作の低下が起こってきます。
ある程度の低下は仕方ないのかもしれません。
家に居る時は、無理をしないと生活できない場面もあったと思います。
例えば、食事の準備や片付けです。
施設では、できた物が出てきて片付けもしてくれるでしょう。
たったそれだけの事かもしれませんが、1日3回×毎日となるとかなりの時間や動作を必要とするでしょう。
それがなくなってしまうのですから、結果はでますよね。
その代わりとして機能訓練士が機能訓練を行う所があります。
加齢によるもの
特養に入所されるということは要介護3以上であり、65歳以上が条件となります。
その状態で、入所されるのですが、いくらレクリエーションに参加して体操をしたとしても老化は進みます。
また、入所したということで気力の低下や喪失感も現れます。
本人のやる気がなくなると、老化や認知症の進行も著名に現れます。
僕たちはできるだけ、老化や認知症の進行を防ぎたいと考えるのですが、本人の気力が低下してしまったところからは、なかなか回復に至りません。
そうなると、ベッドに寝る機会が増え、寝たきりになるケースはあります。
職員の意識
ここで大事なポイントは「寝たきり」と「寝かせたきり」は違うということです。
寝かせたきりは、介助する側が意識的に寝かせている状態です。
現在の介護施設では少なくなっていますが、以前は当たり前のように寝かせたきりになっていました。
寝ていてくれると訴えも減り、転倒のリスクも減るので楽に感じるのです。
しかし、寝かせたきりにしていると、どんどん寝たきりになってしまいます。
まとめ
色んな要因があり、寝たきり状態は生まれてしまいます。
大切なご家族を預けるわけで、元気に過ごしていただきたいという気持ちは大切です。
もし、寝たきりになったとしても、原因は介護施設の環境だけではありません。
その点は家族も十分に理解する必要があるでしょう。
お互いの信頼関係の上で成り立つサービスです。
一方的な意見だけでは成り立ちません。
一番困るのは利用されている本人です。
最後まで元気に過ごせる環境を一緒に考えていきましょう。
介護は突然きます。
皆そうやって相談にくるんで間違いない。
だから知って欲しいことをまとめて書いちゃいました。
悩みはだいたいみんな一緒。
少しでも参考になれば嬉しいな。